「一緒にお墓に入ろう」江上剛著

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 大手銀行の常務取締役執行役員の大谷俊哉は、63歳の誕生日を愛人の麗子に祝ってもらう。食事の席で、役員会議で話題になった墓の話を持ち出すと、麗子は俊哉と同じ墓に入りたいと言い出す。

 深夜、自宅に戻った俊哉に郷里の母・澄江の危篤の知らせが入る。澄江は俊哉の妻・小百合に「お墓を頼む」と言い残し、亡くなる。

 葬式後、俊哉は妹から大谷家の墓の件で問い詰められるが、話し合いは平行線。隣町に嫁いだ妹は、相続放棄をして実家の土地財産を譲るよう俊哉に迫るが、実家の墓を守るつもりはないようだ。郷里を出て久しい俊哉には、実家にも、墓を守ることにも関心はない。

 一方の小百合は澄江とも、俊哉とも同じ墓に入る気はない。墓をめぐる人間模様をユーモラスに描く終活小説。

(講談社 946円)

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