「丸い地球のどこかの曲がり角で」ローレン・グロフ著 光野多惠子訳

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 夫婦生活を夫と妻の別々の視点から描いた長編「運命と復讐」が、オバマ元大統領に絶賛されて一躍世界中の文壇から注目を浴びた著者による短編小説集。表題作は爬虫(はちゅう)類好きの父とそんな父から逃れて本屋を営む母との間を行き来した少年ジュードの物語だ。

 爬虫類のすむ沼のほとりのクラッカーハウスで生まれたジュードは、父が持ち込む蛇と共に育った。母親は家の湿気と絶えず侵入してくる蛇に疲れ果て、父親が持ち込んだ蛇を殺してジュードを連れて家を出たものの、家に連れ戻されてしまう。再度家を出ようとした母親はジュードを父親に奪われ、ジュードは父親とふたりだけの生活を始めることになるのだが……。太陽が降り注ぐ土地というイメージで語られがちなフロリダを舞台に、その明るさの陰にうごめく闇の部分を描写している。ほかにも息子の巣立ちを予感する母親の物語「亡霊たちと抜け殻たち」、奨学金の受給停止を機に路上生活者に転落した女子大学院生を描いた「天国と地獄」、避難勧告時に家に居座る女性を幽霊が訪ねてくる「ハリケーンの目」など、計11編が収録されている。

(河出書房新社 3300円)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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