「レイシズムとは何か」梁英聖著

公開日: 更新日:

「レイシズム」は、「人種差別」「人種主義」と訳されるが、著者は「人種差別を引き起こすチカラ」と定義する。レイシズムとは「ありもしない人種をつくり上げ、人間を分断する人種化を行う。人口にとっての生物学的危険として、劣等人種をつくり上げ、社会防衛を掲げて、その人種を排除し、最終的には殺そうとする」ことだという。

 生物学上、遺伝的な意味で人種は存在しないことが定説になっている。つまり、人種が存在した上で人種差別が起こるのではなく、人種差別という実践や慣習があるからありもしない人種がつくられるのだと指摘。

 近代のレイシズムの歴史を振り返りながら、レイシズムとは何か、そして日本社会にも確かに存在するレイシズムについて解き明かしたテキスト。

(筑摩書房 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗