「その先の道に消える」中村文則著

公開日: 更新日:

 刑事の富樫は、殺された男の所持品に麻衣子の名刺を見つけ動揺する。麻衣子は、富樫が何度もアタックしたが、受け入れてもらえなかったホステスだ。現場の部屋には、彼女が被害者の吉川と暮らしていた痕跡があった。

 麻衣子は刑事として現れた富樫に犯行を自供。麻衣子によると甘い言葉で吉川の部屋に連れ込まれ、監禁されていたという。吉川は緊縛師だった。富樫は、麻衣子を捜査線上からはずそうと画策。やがて吉川という名が偽名だったと判明。現場のアパートの名義人・亜美も行方が分からなくなっていた。麻衣子が持ち出した吉川の手帳に記された亜美の家を訪ねた富樫は、別の男の遺体を見つける。

 純文学やハードボイルドなどジャンルを横断した文体で読者を物語に引きずり込む徹夜必至の書。

(朝日新聞出版 693円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも