「雲上の巨人 ジャイアント馬場」門馬忠雄著
「16文キック」で有名なジャイアント馬場は、高校に入学したとき、足に合うスパイクがなかったため、野球部に入部できなかった。読売巨人軍に5年間在籍するも、記録は0勝1敗。だが、力道山に誘われてプロレスに入ると、体が大きいことがプロレスでは幸いする。
米国遠征から帰国した後の凱旋試合で、外国人組と6人タッグマッチでドン・ダフィーにドロップキックを仕掛けて豪快なフォールを奪う。「ババが飛んだ!」と会場がどよめいた。ドロップキックは体重の負荷がかかるため、体重のある選手ほど難しく、失敗はケガにつながる。実は馬場は、試合前に受け身の練習を繰り返していたのだ。
プロレスジャーナリストが35年にわたる馬場との交流を回想する。
(文藝春秋 1870円)