「性と淫蕩の中国史」内藤博文著

公開日: 更新日:

 日本人以上に「変態」度が高いといわれる中国の閨房(けいぼう)文化の歴史をたどる面白エッセー。

 古代中国で聖王といわれた堯は、2人の娘を舜と象の兄弟に嫁がせた。これは兄弟が堯の娘である姉妹を共有する「集団婚」で、当時はフリーセックスの時代だったという。儒教の祖と言われる孔子も性欲や好色を認め、後継者の孟子は、好色だからこそ人間であると説いたそうだ。

 他にも、その淫蕩ゆえに関わった男たちの精気を吸いとり、不幸な死に追い込む妖女・夏姫の波乱の人生、男性禁制の後宮で働くために去勢された「宦官(かんがん)」と宮女や女官らとの性の饗宴、男たちをとりこにした「纏足(てんそく)」、期限付きで他人の妻を借りる「典婚」など。古代から現代まで中国4000年の裏歴史をのぞき見る。

(河出書房新社 792円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に