「歩道橋シネマ」恩田陸著

公開日: 更新日:

 以前、耳にした噂をたよりに「私」は、ようやくそこにたどり着く。噂では、その場所は「とある県庁所在地の、官庁街の外れの、栄町交差点にほど近い古い歩道橋」で、歩道橋の正面には地下に潜る幹線道路があるということだった。出張のたびに探してきたが、意外にも帰省した故郷で墓参りの帰りに通りかかった場所が、その場所だった。

 幹線道路の両側を挟む雑居ビルの壁と地下に潜り込む道路のトンネルの天井、そして道路を越えて宙を走るケーブル管。その縦横の直線が組み合わされて出現する巨大な長方形がスクリーンとなり、その人がかつて大事にしていた記憶に出合えるというのだ。

 ほか、ミステリーやホラー、青春モノまで、さまざまなジャンルの秀作18編を収録した作品集。

(新潮社 781円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網