「フィリップ・マーロウの教える生き方」レイモンド・チャンドラー著 マーティン・アッシャー編 村上春樹訳

公開日: 更新日:

 巨匠チャンドラーが生み出した世界で一番有名な私立探偵が作中でつぶやいた心に残るセリフを集めた引用句集。

「二日酔いになるのはアルコールのせいとは限らない。私の二日酔いは女たちによってもたらされたものだった。女たちが私の体調を狂わせたのだ」(「大いなる眠り」)や「金髪の女。僧正がステンドグラスの窓を蹴破りたくなるような豪勢なブロンドだ」(「さよなら、愛しい人」)など、酒や女性にまつわるセリフから、「法律は正義じゃない。それはきわめて不完全なシステムなんだ。もし君がいくつかの正しいボタンを押し、加えて運が良ければ、正義が正しい答えとしてあるいは飛び出してくるかもしれん」(「ロング・グッドバイ」)などの示唆に富んだ発言まで。味わい深い言葉の数々に酔う。

(早川書房 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾