「フィリップ・マーロウの教える生き方」レイモンド・チャンドラー著 マーティン・アッシャー編 村上春樹訳

公開日: 更新日:

 巨匠チャンドラーが生み出した世界で一番有名な私立探偵が作中でつぶやいた心に残るセリフを集めた引用句集。

「二日酔いになるのはアルコールのせいとは限らない。私の二日酔いは女たちによってもたらされたものだった。女たちが私の体調を狂わせたのだ」(「大いなる眠り」)や「金髪の女。僧正がステンドグラスの窓を蹴破りたくなるような豪勢なブロンドだ」(「さよなら、愛しい人」)など、酒や女性にまつわるセリフから、「法律は正義じゃない。それはきわめて不完全なシステムなんだ。もし君がいくつかの正しいボタンを押し、加えて運が良ければ、正義が正しい答えとしてあるいは飛び出してくるかもしれん」(「ロング・グッドバイ」)などの示唆に富んだ発言まで。味わい深い言葉の数々に酔う。

(早川書房 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択