「『アキラさん』は音楽を楽しむ天才」宮川彬良著

公開日: 更新日:

 幼いころ、和式トイレにはいつもヌード写真の載った週刊誌が積み上げられていた。5、6歳の少年アキラも納得するような美しい「曲線」が描かれていて、後に作曲家になったアキラ少年は、メロディーとは突き詰めていえば「曲線美」のことだと気づき、この経験が親子間の作曲のレッスンになっていたことを知る。

「宇宙戦艦ヤマト」を作曲した父、宮川泰の遺言は「俺が死んだらヤマトな」だった。

 葬儀の日、棺を載せたキャデラックのドアが閉まったとき、ブラスバンドが演奏を始めた。♪さらば~地球よ~。父はこの曲で旅立ちたかったのだ。

 作曲家の苦闘と愉悦の日々を描くエッセー。

NHK出版 1650円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  2. 2

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  4. 4

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  5. 5

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か

  1. 6

    田中圭が永野芽郁と密会していた“妻公認”の仕事部屋…警戒感緩むもバレやすい不倫の痕跡

  2. 7

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  3. 8

    TBSのGP帯連ドラ「キャスター」永野芽郁と「イグナイト」三山凌輝に“同時スキャンダル”の余波

  4. 9

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  5. 10

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから