「役者とギャンブル」六角精児著

公開日: 更新日:

「役者とギャンブル」六角精児著

 テレビでおなじみの名バイプレーヤーのエッセー集。自分のこれまでは、いわば「無駄のかたまり」のようなものだと自嘲。いわく「ギャンブルの無駄」「結婚離婚を繰り返す無駄」、そして「意味なく酒を呑み続ける無駄」など。そんな無駄を大量に抱え込んで生きてきた日々を赤裸々につづる。

 高校卒業後に入った劇団に在籍して54歳(執筆時)になろうとしている今になって思い出す湘南の砂浜で劇団を辞めると心に決めた若き日の夜のことや、以前に離婚した女性と再び籍を入れ(著者にとっては4度目の入籍)こんなに幸せでよいのだろうかと幸せにおびえる自分、友人の葬式で抱いた違和感、そして出演するドラマの内輪話まで。

 軽妙な筆致で読者を六角ワールドにいざなう。 (筑摩書房 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の三振激減がドジャース打者陣の意識も変える…史上初ワールドシリーズ連覇の好材料に

  2. 2

    国民民主党から問題議員が続出する根源…かつての維新をしのぐ“不祥事のデパート”に

  3. 3

    党勢拡大の参政党「スタッフ募集」に高い壁…供給源のはずの自民落選議員秘書も「やりたくない」と避けるワケ

  4. 4

    「ロケ中、お尻ナデナデは当たり前」…「アメトーーク!」の過去回で明かされたセクハラの現場

  5. 5

    注目の投手3人…健大高崎158km石垣、山梨学院194cm菰田陽生、沖縄尚学・末吉良丞の“ガチ評価”は?

  1. 6

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  2. 7

    コカ・コーラ自販機事業に立ちはだかる前途多難…巨額減損処理で赤字転落

  3. 8

    巨人・坂本勇人に迫る「引退」の足音…“外様”の田中将大は起死回生、来季へ延命か

  4. 9

    高市早苗氏の“戦意”を打ち砕く…多くの国民からの「石破辞めるな」と自民党内にそびえる「3つの壁」

  5. 10

    「U18代表に選ぶべきか、否か」…甲子園大会の裏で最後までモメた“あの投手”の処遇