「はるか、ブレーメン」重松清著

公開日: 更新日:

「はるか、ブレーメン」重松清著

 祖母が死んで高校2年生の小川遥香はひとりぼっちになった。3歳のときにシングルマザーだった母に捨てられ、祖母に育てられてきたのだ。

 納骨を終え、伯父一家が帰った後、郵便受けを見ると、「御世帯主様」と書かれた封筒が入っていた。差出人は「ブレーメン・ツアーズ 葛城圭一郎」。40年ほど前に遥香の住んでいる土地に住んだことがある89歳の女性が、もう一度、その家からの眺めを味わいたいので、何日か遥香の家で過ごしたいという。

 会ってみたら葛城は、自分の客が向かうのは「ブレーメンの音楽隊」のように「たどり着けない場所」だと言った。

 過去を見る能力をもった少女が、謎の旅行会社に誘われてさまざまな人の記憶と向かい合う物語。

(幻冬舎 1980円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    国分太一の不祥事からたった5日…TOKIOが電撃解散した「2つの理由」

  1. 6

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  2. 7

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  3. 8

    「ミタゾノ」松岡昌宏は旧ジャニタレたちの“鑑”? TOKIOで唯一オファーが絶えないワケ

  4. 9

    中居正広氏=フジ問題 トラブル後の『早いうちにふつうのやつね』メールの報道で事態さらに混迷

  5. 10

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償