「選ばれない人」安藤祐介著

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「選ばれない人」安藤祐介著

 人生のすべては就活で決まると確信する大学3年の徹郎は、学業はもちろん、日ごろの服装から言葉遣いまで、準備に余念がない。周囲からは変人扱いされ「就活侍」などと揶揄(やゆ)されるが、学内の人気者の夏海だけはそんな徹郎を「師匠」と呼び教えを請う。一方、徹郎と同じく生活資金の援助もある「トップランナー特待生」の寿々歌は、ひそかに就活という戦場からの脱走をもくろんでいる。

 ある日、3人が所属するゼミに聴講生として中年男性の王子が加わる。王子は、元暴走族の過去を持つ井端教授のワル仲間だったという。王子は就活を「クソゲーみてえだなあ」と断じる。あろうことか、その王子とルームシェアをする羽目になり、徹郎の日常は乱されっぱなし。

 徹郎の就活と恋の顛末を描く長編青春小説。 (光文社 880円)

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