「首里城と沖縄戦」保坂廣志著

公開日: 更新日:

「首里城と沖縄戦」保坂廣志著

 戦時下の1944年10月10日、米軍は沖縄で大規模空襲を実施。同時に行った空撮写真の分析で、首里が軍事要塞地であることを突き止めた。

 一方、沖縄戦を指揮する第32軍司令部は大空襲後に海岸部での「水際作戦」から、敵を上陸させ一日でも長く戦う地上戦に戦略を大転換。地形を利用した陣地の構築に全力を挙げ、その最大の築城が琉球王国時代に築かれた首里城の地下に構築した地下司令部壕だった。約4カ月の突貫工事で地下30メートル、総延長1キロに及ぶ壕が完成。しかし、米軍の攻撃を受け6月1日、地下司令部壕は完全に制圧される。

 日本軍がなぜ首里に司令部を置いたのか、地下司令部の役割や構造、そして米軍との攻防を詳細に分析しながら、県民に多くの犠牲を強いた沖縄戦の実態を描き出す。 (集英社 1012円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」