「沖縄密約ふたつの噓」諸永裕司著

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「沖縄密約ふたつの噓」諸永裕司著

 1972年、国会で野党の代議士が一枚の文書を手に時の総理・佐藤栄作に迫った。その文書とは、沖縄返還を巡り政府が否定し続けてきたアメリカ側との密約があったことを裏付ける外務省の機密電信文の写しで、新聞記者の西山太吉氏が入手して代議士に渡したものだった。その後、西山氏と機密電信文を渡した外務省の女性事務官の関係が暴かれ、そのスキャンダルばかりに注目が集まり、密約問題が問われることはなかった。

 本書は、夫に裏切られ、それを世間にさらされた上、夫をおとしめた国の嘘にも苦しみ続けた西山氏の妻・啓子さんと、西山氏が国に挑んだ情報公開請求訴訟(1審)で歴史的な判決を導き出した小町谷育子弁護士の2人が主人公。

 女性2人の視点から国家によって葬られた西山氏の足跡を追ったノンフィクション。

(集英社 880円)

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