「紺碧の海」梶よう子著

公開日: 更新日:

「紺碧の海」梶よう子著

 太平洋に浮かぶ無人島、鳥島で、男たちがアホウドリを捕獲していた。その羽根をむしるためだ。

 八丈島で生まれた留吉は、同郷の玉置半右衛門に誘われて横浜で奉公をしていた。商いを覚え、異国語も使えるようになり、ウィリアム商館で番頭を務めていたが、ある日、中浜万次郎という男と知り合う。万次郎はかつて漂流したことがあり、鳥島に漂着して生きのびた。鳥島のアホウドリは純白で美しかったと話す。半右衛門は以前、異人が持っていた羽根布団に鳥の羽根が詰められていたことを思い出し、「鳥島へ行かないか?」と留吉を誘った。

 明治時代、誰も見向きもしなかったアホウドリに目をつけ、商人として成功した男の人生を描く痛快小説。

(徳間書店 2090円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か