「彼女の名前は」チョ・ナムジュ著、小山内園子、すんみ訳

公開日: 更新日:

「彼女の名前は」チョ・ナムジュ著、小山内園子、すんみ訳

 さまざまな女性たちへのインタビューをもとにした小説で韓国女性たちの「今」を描く短編集。

 妹の結婚式は、粛々と進み、新郎新婦の前に座る母は涙をぬぐう。「私」はその涙の半分以上は自分が理由だと分かっている。私の離婚が成立したのだ。初めて夫婦げんかしたのは、新婚旅行から帰ってきて夫の実家へ挨拶に行った日だった。そのまま、夫の実家から伯父の家に連れていかれた私は、見知らぬ親族だという人に飲めない酒を飲まされ、歌を歌わされた。以来、義理の両親にたびたび呼び出され、料理を作り、行事を手伝い、看病し、家事を手伝ってきた。(「離婚日記」)

 対になる「結婚日記」やセクハラ上司と戦う公務員を描く「二番目の人」など、28人の物語は、全女性の物語でもある。 (筑摩書房 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態