「彼女の名前は」チョ・ナムジュ著、小山内園子、すんみ訳

公開日: 更新日:

「彼女の名前は」チョ・ナムジュ著、小山内園子、すんみ訳

 さまざまな女性たちへのインタビューをもとにした小説で韓国女性たちの「今」を描く短編集。

 妹の結婚式は、粛々と進み、新郎新婦の前に座る母は涙をぬぐう。「私」はその涙の半分以上は自分が理由だと分かっている。私の離婚が成立したのだ。初めて夫婦げんかしたのは、新婚旅行から帰ってきて夫の実家へ挨拶に行った日だった。そのまま、夫の実家から伯父の家に連れていかれた私は、見知らぬ親族だという人に飲めない酒を飲まされ、歌を歌わされた。以来、義理の両親にたびたび呼び出され、料理を作り、行事を手伝い、看病し、家事を手伝ってきた。(「離婚日記」)

 対になる「結婚日記」やセクハラ上司と戦う公務員を描く「二番目の人」など、28人の物語は、全女性の物語でもある。 (筑摩書房 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  3. 3

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  4. 4

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  5. 5

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  1. 6

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  2. 7

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  3. 8

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  4. 9

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  5. 10

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩