「至高の近代建築」小川格著

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「至高の近代建築」小川格著

 日本の近代建築史の前期、明治維新から戦後までの名建築を紹介するガイドブック。建設の経緯から、施主や建築家の思いまで、建物にまつわるドラマとともに描き出す。

 現在の神奈川県立歴史博物館は、元は横浜正金銀行本店として1904年に建てられた。

 明治維新以降、外国に握られていた海外貿易に必要な海外との為替業務と貿易の金融を担うために政府のバックアップをうけて設立された銀行だ。

 設計は、東京駅の設計で知られる辰野金吾と並ぶ明治建築界の巨匠・妻木頼黄が45歳の時に手掛けた。辰野のイギリス流、レンガ造りの表情とは全く異なるドイツ式の堅牢な建物となっている。

 以降、東京国立博物館表慶館(片山東熊)から、東京都庭園美術館(宮内省内匠寮)まで個人宅も交え32の名建築を巡る。 (新潮社 968円)


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