(32)二の丸の奥にヤツデがありました
焚火の前を陣取っていた孫十郎という二十四、五の男が、傍らの大槍をドンと地面に突き立てて胸を張った。
「このまま、座して死を待つだけでは我らも浮かばれぬ。いっそ、ここで武勇ある者たちだけでも打って出て、敵を一掃し、籠城を内から破ろうではないか」
その声に、おおお、と…
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