「壮年世代のセックス」本

公開日: 更新日:

 また、50~60代男性の本音もところどころにちりばめられており、男のプライドとロマンチストぶりも露呈する。普段、口にはしないものの、実は心の中でくすぶっている欲望と、ダンディーを気取りたい男心のジレンマが如実に表れるコメントが真に迫っている。

 とはいえ、なぜここまで売れているのか。おそらくその秘訣はモノクロの写真にあるのだろう。

 いかにも玄人っぽいプロのヌードモデルは一切使わず、素人のカップルが登場する。男性も女性も顔は一切出さず、浴室や畳の上でじっとりと絡み合うシーンが切り取られている。畳敷きの和室で、女性のストッキングに手を差し入れ、強引に愛撫するシーン、浴衣姿の女性を乱れさせ、帯を解かずに乳房をあらわにして揉みしだくシーンなど、かなり淫靡で過激だ。女性の衣服を徐々に脱がせていく巧みな連続写真構成は読者の興奮を誘う。

 全体的には昭和の温泉旅館ムードを保ちつつ、愁いと恥じらいのある写真がポイントなのだろう。

 出版禁止一歩手前のギリギリのラインで、クンニリングスや挿入シーンも撮影されている。昨今のあからさまな裸や修整ばかりのグラビアヌードとは異なり、日常感とウエットさを堪能できるのだ。そんな写真が随所に入り、しかも手軽な文庫サイズ。おまけに文字も老眼対応で大きめだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた