春画鑑賞がもっと楽しくなる本特集

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「春画」早川聞多著

 日本美術と江戸文化に精通した著者が、独自の切り口で計123点の名画を解説。「人生編」と「四季編」に分けたのが秀逸。人生編では登場人物の年齢で幼少期から老年期に分け、一枚の春画が描き出す生ぐさい人間ドラマを教えてくれる。四季編では描写に隠された淫靡(いんび)さと、風情ある季節の移ろいを示唆。江戸かな文字で書かれた詞書(ことばがき)を現代語に訳してあるため、交わりの濃密な擬音や喘ぎ声に至るまで精細な描写を味わうことができる。わいせつさに目くじらを立てるのではなく、ほほ笑ましく人の営みをめでる、という趣旨が伝わってくる良書だ。(すばる舎リンケージ 2200円+税)



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