春画鑑賞がもっと楽しくなる本特集

公開日: 更新日:

「春画を旅する」山本ゆかり著

 春画の魅力、面白さ、楽しさを13の見どころ(章)で紹介する入門書。8章「小さくなってこっそり覗(のぞ)く」では、鈴木春信「風流艶色真似ゑもん」にスポットを当てる。

 主人公の浮世之介が仙女からもらった団子を食べたら不思議なパワーを得て、豆のように小さくなり、「まねへもん」と称し、旅先のあちこちで男女の色事を見聞する色道修行の旅の様子を描いた24枚の春画。第3図は、ご隠居さんの老婦の背中に若いお嫁さんがおきゅうを据えている場面だが、その嫁さんに、その家の息子と思われる男が後ろからじゃれ掛けているのを「まねへもん」はばっちり目撃しているが、老婦はまったく気づかぬ様子なのがなんともおかしい。「一寸法師」のように小さくなり、こっそり覗くのは、永遠のファンタジーなのだ。

 他にも春画に見る「江戸時代の男前」、春画でたどる「口吸い(キス)の変遷」も面白い。(柏書房 1800円+税)



【連載】ザッツエンターテインメント

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  2. 2

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  3. 3

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?

  4. 4

    「俺は帰る!」長嶋一茂“王様気取り”にテレビ業界から呆れ声…“親の七光だけで中身ナシ”の末路

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    トイレ盗撮も…谷村新司が息子を叱れない“恥ずかしい過去”

  4. 9

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 10

    西野カナ×Perfumeショットにファンびっくり…ザワつき巻き起こした「のっち不在ショット」を読み解く