「るろうに剣心」「柘榴坂の仇討」…今年は時代劇に外れなし!

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 この秋は、時代劇が熱い。9月20日から「柘榴坂の仇討」、10月4日から「蜩ノ記」がそれぞれ公開される。どちらも重厚なドラマが売り物の本格的な時代劇だ。「柘榴坂――」は大老井伊直弼が暗殺されたことで知られる桜田門外の変を題材にしたもの。井伊側と暗殺の首謀者側に分かれた男2人が幕末から明治に生き延び、運命的な出会いをする物語だ。

 主君を討たれた恨みを持ち続ける井伊側の侍を中井貴一、井伊を討った首謀者側のひとりを阿部寛がそれぞれ演じる。時代は明治。あだ討ち禁止令も発布される中、ついに2人は出会うのである。浅田次郎の原作を「沈まぬ太陽」などの若松節朗監督が演出した。

 歴史を変えた事件や変が、映画で描かれることは多い。だが、そこに関わりを持った人からすれば、後日談の方こそ一生を左右する重い現実だともいえる。歴史上知られる話とはまったく異なった視点から、侍の純粋な生き方を描いている点で、本作はとてもユニークである。

 一方、「蜩ノ記」は江戸時代のある藩に起こった出来事を描く。前代未聞の事件をとがめられたある侍が、10年後の切腹を命じられる。その間、藩の歴史の編纂を任される。7年後、彼が進める編纂には、先の事件が記されているかどうかを見守る監視役がついた。

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