スクリーンに甦る原節子…映画館、テレビで追悼企画続々
11月25日に訃報が伝えられた原節子さんのその後の報道が止まらない。さすがに「伝説の大女優」である。暮らしぶりが少しずつテレビや週刊誌などで明らかになってはきたが、それでもこれほど神秘性を帯びた女優は過去あまり記憶がない。神秘性は余分な情報を排除してくれる。これは俳優にとってまったく素晴らしいことだ。
なので、神秘性はそのままに、ここは彼女の作品を年末以降にじっくり味わってみるのもいいのではないか。
追悼上映や追悼放映が今後目白押し。小津安二郎監督作品を多く製作してきた松竹は都内と埼玉県の2館で「東京物語」「秋日和」「晩春」の3本をデジタル修復版で上映する。東京・丸の内ピカデリーはきょう12月5日から開始だ。
テレビではNHKのBSプレミアムが「秋日和」(12月9日)と「東京物語」(12月23日)。BSの日本映画専門チャンネルが12月19日に早朝から丸1日、「わが青春に悔なし」など8本を一挙に放映する。
都内の名画座では、池袋の新文芸坐が年明け早々、戦後の作品を中心に上映を計画している。同館は映画俳優の追悼上映ではもっとも力の入った編成をするので、現存する作品のかなり本格的な上映になると思われる。