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髙橋隆

1949年1月生まれ。学生時代に「走れコウタロー」で知られる「ソルティー・シュガー」の一員としてデビュー。大学卒業後はディレクターに転身し、ビクターエンタテインメントやテイチクエンタテインメントで数々のヒット曲を生み出す。代表作は「ダンシング・ヒーロー」「襟裳岬」「てんとう虫のサンバ」「白いギター」など。現在はフリーの音楽プロデューサー。

日吉ミミ「世迷い言」上から読んでも下から読んでも…

公開日: 更新日:

 もちろん中島さん本人の了承なんてとってないですよ。慌てて連絡とって、これこれこういう企画なんですけど、阿久悠さんが書き下ろしますからって。そしたらOKが出て、1週間くらいで曲が上がってきた。そのデモテープを聴いたらこれがすごい完成度でね。たぶんツアー中かなんかで、バックバンドに演奏してもらって歌ったんだと思います。これそのままアレンジしちゃえって(笑い)。

 そのドラマのシーンが、覚えている人もいると思うんですけど、酒場で日吉ミミがいきなり歌いだして――後ろのフォークグループも私が集めたんだけど――ただそれだけ。後は出てこないの。久世さんの狙いだったんだけどね。すごく斬新な演出。ちなみにそのドラマに出ていた樹木希林さんとは、その後にも縁があって、「ピップエレキバン」のCMソングを私が担当してます。歌も日吉ミミで、曲名は「北風ぴゅうぴゅう」。

 ところで、「世迷い言」がヒットしたのは作詞家と作曲家の組み合わせが良かったから。作詞は大御所の阿久悠さん、作曲は新進気鋭の中島みゆきさん。手堅くヒットを狙うなら大御所同士が無難だけど、それじゃ新しいものは出来ない。異色の組み合わせで化学反応を狙うのが私のポリシー。チャレンジしたからこそ、今でも歌い継がれるヒット曲になったんだと思います。 (聞き手・いからしひろき)

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