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山田勝仁演劇ジャーナリスト

イキウメ「獣の柱」が誘う日常と隣り合わせの不思議な異界

公開日: 更新日:

 宗教の誕生を示唆するような奇想天外な話にヨハネ黙示録の予言などでリアリティーを与える前川らしい作品。

 人々を魅了し、死に導く巨大な柱は果たして何の暗喩か。2013年版は3・11震災の直後であり、原子力災害を想起させた。謎の柱に翻弄される人々の不穏な心象は現代人が抱える不安と通底する。

 世界中の人々が食い入るように見つめ続けて恍惚とするスマホも柱の一つか。「自慢史観」を垂れ流し、だれもが鏡の中の自分の姿に陶然とする今の日本のファシズムの兆しの暗喩といえなくもない。

 浜田、安井の人気・実力派の緻密な演技に加えて、謎めいた役の市川しんぺーが不気味な存在感を醸し出し、NHK朝ドラ「風のハルカ」のヒロインだった村川絵梨が望の妹役として鮮烈な印象を残した。

 6月9日まで。三軒茶屋・シアタートラム。6月15、16日は大阪公演。

 ★★★★

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