著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

「キックの鬼」こと沢村忠の原点は中国武術と芸能への憧れ

公開日: 更新日:

 沢村忠は1943年、日本人土木技師の次男として、旧満州の新京(現・中国吉林省長春市)に生まれた。本名・白羽秀樹。

 母方の祖父が武術の達人で、少年時代から英才教育を受けたことは沢村忠の特集記事を組んだ専門誌「月刊フルコンタクトKARATE」(武道ユニオン/1996年4月1日号)に詳しい。誌面では、明らかに日本の空手とは異なる構えを見せていた。その写真を見て「これは間違いなく中国武術の構えです」と看破したのは、「実録 柔道対拳闘 投げるか、殴るか。」(BABジャパン刊)を執筆し、武術の歴史に詳しい会津大学の池本淳一上級准教授である。

「中国武術には独特の構えがあります。日本の空手と決定的に異なるのは脱力に比重が置かれます。どの流派だったかとかは写真だけではわかりませんが、少年時代に旧満州で体得した武道は沢村さんの中でずっと息づいていたのでしょう」

■旧満州の新京から東京・青山へ

 終戦後、一家で日本に舞い戻ると、東京の青山に居を構えた。青山小学校・中学校時代に沢村忠と同級生だった人物に筆者は話を聞いている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」