著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

ロングコートダディは客の予想を裏切る「ワードセンス」が秀逸

公開日: 更新日:

 昨年「2021M-1グランプリ」決勝に進出したロングコートダディ。次の日に「肉うどん」がよく売れたと言われるぐらい、インパクトを残しました。NSC在学中はコンビではなく、どういうコンビだったのか?ピンだったのか、兎君の印象はほとんど記憶がありませんが、堂前君のひょうひょうとした、とぼけた雰囲気は印象に残っています。

 卒業後にコンビを組んで若手の劇場に出始めた頃、よく言えば世界観がある、悪く言えば「よくわからない」内容のコントで、お客さんも“ポカーン”という状態。それでもスケールの大きさ、こぢんまりまとまっていないところに魅力を感じました。

 M-1の際の「肉うどん」のネタも「生まれ変わるとしたら何になりたいか」というネタで、当然“生き物”に生まれ変わるだろうと思っているところへ「肉うどん」という“商品”が登場する意外性。また「肉うどん」という言葉の響きが大きな笑いを誘いました。笑いの鉄則は「お客さんの予想をどう裏切るか」ですが、見事に裏切ってくれました。ワードセンスにたけていると思います。

「2020キングオブコント」でダンボールを並べ替えるネタを披露していましたが、終わってから「どっかで大きな裏切りをつくったらもっと受けんのに」と言うと、「そうですね。変化が必要ですよね」と自分たちでも、冷静に分析をしていました。

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