井筒和幸
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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

岸田首相の中身空っぽの所信表明演説で食欲がなくなりそうだ

公開日: 更新日:

 食べたつもりで戎橋筋を南に下って道頓堀を越えてミナミのど真ん中、夕方からは居酒屋「二色」が暖簾かけて待っとんだわ。ここも18の時から世話になってきた所。なんでも、進駐軍のおった頃からやってきた戦後昭和史の代名詞みたいなもんや。何ちゅうても、おでんと串揚げはたまらんよ。おでんの牛スジもええ出汁しとるし、ごぼ天も大根もジャガイモもうまいよ。串揚げは壁のお品書きの端から順に注文したらええよ。山芋きざみやクジラベーコンは今もあるかな。3人で行ったら、小テーブルで膝つき合わせてワーワー言うて、「ハリソン・フォードなんか大根もええとこや」とか「地獄の黙示録って何がオモロいねん?」とか。ここでは何度飲み倒れて食い倒れたか。「ガキ帝国」の製作主任をやってくれたヤツとは2人で「明治軒」も「二色」も日課のように通った。「岸和田少年愚連隊」でも週に1度は食いに行ったか。

 ついでに、この間読んだ面白い本も紹介しようか。ロシアの出来損ないがウクライナ4州を居直り強盗みたいに併合しやがった。かつての大日本帝国も似たようなもので、隣の大韓帝国を日本の言うことだけ聞く独立国にするどころか、伊藤博文が殺されたらそれを機に植民地にしてしまった。日本はそれをどう企てていったのか、その実態を描いたのが「韓国併合」(森万佑子著・中公新書)だ。今こそ読むべきだ。旅に出るなら列車で読める。

 全国旅行支援の割引キャンペーンが11日から始まる。ドケチな政府は年末までと言ってるが、秋の食い歩き旅行はあの国葬ストレス除去にもなっていいと思う。

【連載】井筒和幸の「怒怒哀楽」劇場

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