著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「海のはじまり」「あの子の子ども」…少子化対策が叫ばれる時代に逆行していないか?

公開日: 更新日:

 楽しみになってきた夏ドラマがある。目黒蓮主演「海のはじまり」(フジテレビ系)は大竹しのぶ有村架純古川琴音といった芸達者が出演しており、彼女たちの感情を乗せたナチュラルな演技は期待できる。

 だが、そんな彼女たちの熱演も海を演じる子役の泉谷星奈ちゃんの前ではかすんでしまうというのも事実。「動物と子役には勝てない」とはよく言ったものだ。いまや海ちゃんを見るためだけにこのドラマを見ていると言ってもいいほど。

 令和芦田愛菜との声もあるらしいが、おしゃまでけなげな色気は愛菜ちゃんよりむしろ「パパと呼ばないで」のチー坊の杉田かおるに近い。とすれば、目黒はさしずめ令和の石立鉄男。いや、あちらは独身男の右京(石立の役名)が亡くなった姉の子供を引き取り下町の米屋の2階に下宿。大家さん家族に見守られながら親子の絆を育む人情コメディーだった。

 そもそも石立も、「マルモのおきて」で亡くなった親友の子供たちの面倒を見ることになった阿部サダヲも子役とからむことで、好感度が爆上がりする風潮がある。

 それと、「海のはじまり」の場合は石立や阿部とは事情が違う。別れた元カノが実は自分の子供を中絶せずに産んでいたという話で、彼女の葬式でその事実を知ることになるのだ。ちょっとしたホラーではないか。中絶同意書にサインしてそれですべてが終わったと思っていたら……。

 葬儀で自分の子供とは知らず、海と対面。母を亡くしたことを理解しているのかいないのか、そんな海を励まそうと海辺ではしゃぐ若かりし日の母の動画を見せる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」