「ラストマイル」首位返り咲き「スオミの話をしよう」伸び悩み…映画も“浮動票”が観客動員の決め手

公開日: 更新日:

「スオミ──」は浮動票の人が伸びていないワケ

 逆に「スオミ──」は浮動票の人が伸びていない。

 安定した人気の三谷作品。期待を持って見た人も多いが、今回は「違和感があった」という人もいる。確かに、物語の核となる話の大半が豪邸内の広々としたリビングで行われる。西島秀俊らがリビングのあっちこっちに座ったり、立ったりしながらスオミの話をする。映画よりも舞台が合う演出に見えた。

 舞台ならしっくりくるが、スクリーンでは違和感を覚えても不思議はない。映画はさまざまな背景も含めて見る人を楽しませる。渥美清の「男はつらいよ」も柴又の草団子屋が中心でも、江戸川の土手、帝釈天、毎回の地方ロケも人気を支えた。

「スオミ──」の後半はリビングから一転、狭いセスナの機内で男たちが論争する場面。内村光良NHK「LIFE!」のコントを見ているようだったが、コントなら笑えても映画では声を出して笑えない。失笑が漏れていた。それでも、楽しませてくれたのが長澤の服装七変化。ドレス、ミニスカ、バスローブ、ジーンズにTシャツ姿で長澤の魅力があふれていた。

 映画を見終わった観客の様子にも違いがあった。「ラスト──」では、「石原さとみも出ていた」と、口々に映画の話が出る。「スオミ──」は無言の人が多いように感じた。

 自民党総裁選では前評判の高かった小泉進次郎が1回目の投票で失速。石破茂高市早苗の決選投票では議員の浮動票が石破に流れ勝利したという。

 映画は口コミによる浮動票の取り込みが観客動員を大きく左右する。その差が今回の順位逆転の要因になった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー