著者のコラム一覧
ラサール石井参議院議員

1955年生まれ。大阪市出身。渡辺正行、小宮孝泰と結成したお笑いトリオ「コント赤信号」で人気に。声優、俳優、司会者、脚本家、演出家、コラムニストとして活躍。第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2025年、参院選に社民党から立候補し当選。副党首に就任。

平和から乱世の世へ。「光る君へ」のラストシーンは文学への覚悟を問われているようだった

公開日: 更新日:

 紫式部の母の死や道長との出会い、そして恋、清少納言との友情など、おそらく史実にはなかった創作が見事に展開をドラマチックにし、また大きな伏線となってうねっていく。そこら辺「あり得ない」と否定する向きもあるが、それでは歴史ドラマは作れない。実際記録にある歴史は一切変えずに、その書かれていない裏側に想像力を働かせる。ここに歴史物の醍醐味がある。何より素晴らしいのは、シーンとシーンのつながりが出来事でつらなるのではなく、登場人物の心理で積み重ねられていることだ。

 後半は源氏物語執筆と人間模様。NHKらしからぬエロチックな展開もさらりと大胆にかつ優雅に描かれていた。

 物語を書き切って「もう書くものがない」と呟く式部の虚脱感。そして最終話のタイトル「物語の先に」。死に近づく道長に生きる希望をもたせるため枕元で語って聞かせる物語。書き手としての大石氏が式部に自分を重ね合わせ、物語の力に希望を見る。

 最後に老いた清少納言と式部の2人が語り合うシーンは劇団二兎社で共に競った戦友、永井愛氏と大石氏がしゃべっているようだった。

 ラストは迫り来る戦乱の時代を予感させて終わる。平和から戦乱へ。その中で物語が文学が、いったいどうすればよいのか。問われているようなラストであった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐野勇斗は書道六段で英語も堪能 愛知県立岡崎西高校から明治学院大英文学科へ

  2. 2

    「Aぇ!group」草間リチャード敬太は事件から“ほぼ復活” 大阪学院大で学んだ苦労人の前途

  3. 3

    「おい、オマエ、挨拶に来てねえよな!」納会の二次会でラーメンをすする牧田明久にお灸を据えた

  4. 4

    これが日本の「中流」サラリーマン転落の軌跡 年金の「繰り上げ受給」を選ぶのは、お金と仕事がない人

  5. 5

    あのちゃん騒動の“最大の誤算”とは…番組終了より深刻な“サイレントサポーター”の離反

  1. 6

    ミスチル、銀杏BOYZ、T-BOLANの直前ライブ中止〈はやく判断できないのか〉アーティストの決断が遅れる背景とジレンマ

  2. 7

    嵐の大野智と相葉雅紀、二宮和也が通信制高校で学んだそれぞれの事情

  3. 8

    「佐々木朗希を殺す気なのか」 ロッテが頭を抱えた泥沼交渉劇の舞台裏

  4. 9

    案の定ナフサは不足…それでも楽観論ふりまく赤沢経産相がついに「報道介入」の異常事態

  5. 10

    嵐が去った後に340万人のファンが向かう先…Snow Man、M!LKに次いで有力“不祥事グループ”「ACEes」に募る不安