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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

TBS「御上先生」から目が離せない!熱血系でもヤンキー系でもない、異色の社会派ヒーローもの

公開日: 更新日:

 松坂演じる御上孝は東大卒の文部科学省エリート職員で官僚派遣制度によって私立の有名進学校の隣徳学院に出向。もっとも、それは表向きの話で、実は官僚の天下り斡旋の責任を負わされた左遷人事らしい。

■「金八先生」批判も解禁か?

 重要なテーマになっているのが「パーソナル・イズ・ポリティカル(個人的なことは政治的なこと)」。御上は生徒に「考えてみて」と促す。初めて教壇に立った御上は「君たち、自分のことエリートだと思ってる?」と挑発。エリートの本当の意味は「神に選ばれた人」だと。そして「日本人はエリートは高い学歴を持ち、それにふさわしい社会的地位や収入のある人間のことだと思っているけれど、そんなものはエリートなんかじゃない! ただの上級国民予備軍だ」と言い放つ。

 こんなシーンも。御上が担任になったことで副担任になった是枝(吉岡里帆)に対して「とある有名な学園ドラマの新シリーズが始まるたびに日本中の学校が荒れて学級崩壊が起きるんです」と言い、さらに、「生徒のために奔走するスーパー熱血教師以外、教師にあらず、という空気をつくってしまった」と。作品名こそ明らかにされなかったものの、暗に「金八先生」を指しているのは言うまでもない。

 昨年「金八先生」の脚本を手掛けた小山内美江子が亡くなり、「金八先生」批判も解禁されたのか。「金八先生」のTBSが挑む令和の学園ドラマから目が離せない。

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