西城秀樹のスケールはシングル1枚に収まりきらないほどデカ過ぎる
さらに8月には2度目となる大阪球場コンサート。さらにさらに11月には、日本人単独としては初の日本武道館コンサートを開くのだから、スケールがデカい。デカ過ぎ(ちなみにグループとして初の武道館公演はザ・タイガースの解散コンサート=71年)。
またTBS系「寺内貫太郎一家2」の収録で、小林亜星との乱闘シーン撮影中に腕を骨折したというエピソードも、一種のスケール感の表れといえなくもないだろう。
つまるところ、当時の西城秀樹の持つスケール、エネルギー、フィジカルを、シングル1枚にパッケージングすることなどできなかったのではないだろうか。
しかし翌年「作詞:阿久悠、作曲:三木たかし」というチームが参画することで、事態は一気に展開。「君よ抱かれて熱くなれ」「ジャガー」「若き獅子たち」と、私が今でも覚えているような個性的なシングルを連発することになる。
そして、大人びた愛を歌う「ラスト・シーン」で、西城秀樹は、新たなフェーズへと進み始める。
本人のスケール感と楽曲のスケール感が、少しずつ肩を並べていくことになる。