平野紫耀らの「脱退発表」から約3年…Number_iとKing&Prince、それぞれの現在地と課題。“二大天然ボケ”不在の影響はあるか?
キンプリから脱退した3人の現在地
2022年11月、King & Prince(以下、キンプリ)から2023年5月をもって平野紫耀(28)、神宮寺勇太(27)、岸優太(30)が脱退すると発表された。
その後、3人は旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT。以下、SE社)を退所し、滝沢秀明氏設立のTOBEでNumber_iを結成。キンプリは永瀬廉(26)と髙橋海人(26)の2人体制になり、SE社に残った。
デビューグループから人気メンバー3人が一斉脱退するという電撃発表からおよそ3年、それぞれの現在地とそこから見えてくる課題を探っていきたい。
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王子様路線から一変したNumber_i
Number_iはキンプリ時代のようなキラキラ王子様スタイルから一線を画し、ラップを前面に押し出したヒップホップを基調とする独自のアーティスト路線を貫いてきた。
脱退発表前にはキンプリでも平野の強い希望で同様路線の楽曲があったため、この3人の意思決定の中心には平野がいるように感じられる。そしてそれは平野に良く似合っている。
ただ、さわやかな風貌で国民的彼氏と呼ばれた神宮寺、高音の美しい歌声が秀でていた岸は、本当に、心から現在のスタイルに納得しているのだろうか。
時折そんな疑問を持たないわけではないが、3人の一糸乱れぬ激しいダンスや、想像以上にゴリゴリの低音ラップが上手い神宮寺、フリーキーなハイトーンラップの才能を開花させた岸の姿を見ていると、彼らの意思統一と結束力の高さを痛感する。
TOBEでは、CDセールスを第一とせず、ダウンロードやストリーミング、MV再生数などに重きが置かれている。
Number_iは、昨年の年間ランキングと今年上半期のランキングで「デジタルアルバム」部門1位を記録。デビューデジタルシングル「GOAT」はストリーミング累計再生数2億回、MV再生数1.1億回を突破した。
中毒性の高い楽曲、海外フェスなど音楽活動に比重
その要因として、音楽番組に出るたびに強いインパクトを残し、ロックフェス出演でも爪痕を残すなど、既存ファンだけでなくアイドルに興味の無い音楽ファンをも取り込む高い中毒性が挙げられる。
「INZM」の「イナズマズマズマズマ…」と繰り返されるパートは良くも悪くも注目を浴びたが、クセになるとハマる人も続出した。
昨年には彼らが最大の目標としている海外挑戦の第一歩として、アメリカで「Coachella Valley Music and Arts Festival 2024」に出演。同年末には、SE社アーティストが不在の「第75回NHK紅白歌合戦」にも出場した。
アーティスト路線からブレることなく、バラエティ番組の露出も最低限で、CMを除くと俳優活動はしていない。この辺りは「もったいない」と感じる部分だが、それだけ音楽活動に懸けているのだろう。
俳優としての評価を上げた永瀬と髙橋
一方、SE社にアイドルとして残留したキンプリは、2人体制になった直後のCDシングル「なにもの」が5人体制の通常時と変わらない50万枚台を売上げた。
その後は30万枚台と少し数字を落としているが、メンバーそれぞれに熱愛報道もあった中で、根強いファンに支えられ、2人になっても意地を見せ続けている。
永瀬と髙橋は3人の脱退騒動に左右されず、俳優としても評価を上げ続けてきた。
永瀬は主演として、昨年の「東京タワー」(テレビ朝日系)では色気たっぷりの大学生、今年の「御曹司に恋はムズすぎる」(カンテレ・フジテレビ系)ではポンコツ御曹司と、振り切った役柄を務め好評を博した。
「天然ボケ」二大巨頭の不在で苦戦?
髙橋も主演として、昨年の「95」(テレビ東京系)ではヘタレからグループのリーダーに、今年の「DOPE 麻薬取締部特捜課」(TBS系)では優しすぎる青年から一人前の異能力者に覚醒していく様を熱演するなど、役者として確かな成長を見せている。
ただ、平野、岸という圧倒的破壊力の天然ボケ二大巨頭が抜けたため、冠バラエティ番組「キントレ」(日本テレビ)は土曜のお昼帯から抜け出せず苦戦している。
すでにゴールデン帯冠番組が好評な後輩のSnow ManとSixTONES、先輩だが5人を増員し勢いをつけているtimeleszとは、バラエティの土俵で戦っていくのは難しそうだ。
無限大の可能性に期待
2グループの今後の注目点は、Number_iはアーティスト路線のまま本格海外進出にどこまで近づけるか。
キンプリは2人で音楽業・俳優業・バラエティ業のバランスをどう保っていくのかだ。5人それぞれの無限大の可能性に期待したい。
(こじらぶ/ライター)