「司法取引」は日本にも導入済み 2025年10月からは特殊詐欺にも積極適用
「司法取引」と聞くと、海外の映画やドラマで目にするもので、日本にはない制度だと思っていませんか? 実は日本にも2018年6月から司法取引制度が導入されています。
日本の司法取引制度は被疑者や被告人が他人の犯罪について情報や証拠を提供する見返りに、自身の刑罰を軽くしてもらう「捜査・公判協力型」と呼ばれるものです。
こうした日本版司法取引制度は、「合意及び協議の手続」(刑事訴訟法350条の2以下)という形で規定されています。検察官と被疑者・被告人との間で協議が行われ、被疑者・被告人が協力する旨の内容書面が作成されると、被疑者・被告人は、検察や警察の取り調べ、さらに証人尋問で真実を供述し、証拠の提出その他の必要な協力をすることになります。その代わりに、検察官は、不起訴処分や公訴の取り消し、さらに求刑上の配慮や略式処分等の有利な措置をすることになります。
この日本版司法取引の対象となる犯罪は、詐欺罪、贈収賄、独占禁止法違反などの客観的証拠が残りにくい特定犯罪に限られています。また実際はまだ利用実績は多くはなく、贈収賄や詐欺を含め5~6件でしか利用されていませんでした。