「連ドラの王様+お笑い怪獣+恋愛の神様」でも視聴率30%超えならず

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 キムタクを思うあまり情緒不安定になる柴咲コウが凄かった。病院での半狂乱ぶりからの、なだめるさんまに「1番や2番じゃなくてもいい、100番目でもいい……」と訴えた場面は、まだ20歳とは思えない迫真の演技。そして、さんまの妹役でキムタクに引かれていく深津絵里は、この回のラストでキムタクと顔面10センチに。指でキムタクの唇をまさぐり、目を閉じて求める演技は「30歳を目前にしたフカッちゃん」の持つ妖艶さを見せつけた。

 ちなみに、この回のサブタイトルである「死の口づけ」。この回では誰も死んでいないのに“死”をつけたのは、全話見ないと分からない。中盤にそんなサブタイつけちゃうところも、すごいだろ(と、AIに言っている)。

 でも、当時の僕の正直な感想をぶっちゃけると、「これ、昭和の“赤いシリーズ”じゃん」。キムタクが三浦友和で、フカッちゃんが山口百恵で、さんまが石立鉄男か宇津井健で……みたいな。熱心なファンの方、ごめんなさい。

 それはともかく、このぜいたくなラブサスペンスは主に女性週刊誌の記事で盛り上がり、最終回の視聴率はこの年の連ドラ最高の27%。この数字は当時としても凄いんだけど、“キング”と“怪獣”と“神様”が組んでも30%超えならず。いや、そりゃ50%超えを連発していたW杯の時期だもの、しゃーないか。

(テレビコラムニスト・亀井徳明)

【連載】あの頃、テレビドラマは熱かった

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