『レクイエム・フォー・ドリーム 4Kリマスター』ダイエットと麻薬の依存症でもがく“不幸の親子どんぶり“
ところが母は無理なダイエットによって食べ物の妄想に苦しめられ、自分を追い詰めてしまう。息子はヤクザな世界で麻薬ジャンキーになり果てる。母と息子が幸せを追い求めるあまり、そろって地獄に突っ走ってしまうのだ。いわば不幸の親子どんぶり。これを皮肉と呼ばなくて何と表現するべきか。
劇中で描かれるのはダイエット依存症と麻薬依存症だが、我々の暮らしの中にこうした依存症はたくさんある。ギャンブル依存症やゲーム依存症、買い物依存症……。人間はいとも簡単に奈落の底に沈んでしまう。幸せの追求の中に落とし穴が潜んでいるのだから始末が悪い。
本作で描かれた人間の精神的な脆さは26年経っても改善していない。そういう意味でこの映画はわれわれの煩悩に向けられた永遠の教訓とも言えるだろう。
ラストの映像は圧巻。フラッシュバックのように観客の脳髄に襲いかかり、泥沼の底に引きずり込む。(配給=クロックワークス)
(文=森田健司)




















