見逃される高齢者の「うつ病」は認知症の誤診が招く

公開日: 更新日:

「高齢者のうつ病認知症と誤診しているケースが多い」と指摘するのは、くどうちあき脳神経外科クリニックの工藤千秋院長(日本認知症学会認定医・指導医)。それが取り返しのつかない結果を招いていることがある。

「物事を覚えられなくなった」「変な行動・言動が目立つようになった」「ぼーっとするようになった」――。認知症を疑って受診する患者は、大きく3つに分類できるという。このうち問題となるのは、「ぼーっとするようになった」だ。

「記憶力テストを行うと点数が悪い。そこで認知症と診断されるのですが、実はうつ病ということがよくあるのです」

 うつ病では、注意力や意欲の低下が見られる。それが、記憶力テストの点数の悪さにつながる。

「認知症を診断するには、記憶力、認知症の問題行動、日常生活、高齢者のうつ、MRIなどの画像検査といったように、複数のスケールを用いなくてはならない。しかし、これらによる評価は専門医でなければ難しい」

 認知症の専門医の数は少なく、たいていの高齢者が受診する医師は、専門医以外だ。すると、記憶力テストだけの判断になり、うつ病が見逃されてしまう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁