見逃される高齢者の「うつ病」は認知症の誤診が招く

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「適切な治療を受けられないばかりではなく、うつ病を悪化させてしまいかねない。認知症は励ますことが進行を遅らせることにつながるのに対し、うつ病は励ましが症状悪化につながるからです。もちろん、薬の処方も認知症とうつ病では異なります」

■放置すると本格的な認知症に移行

 近年になって、「高齢者のうつ病を適切に治療しなければ、認知症に至る可能性がある」ということも明らかになってきた。

「うつ病の高齢者の中には、症状が認知症と似ている『うつ病性仮性認知症』があるのです。このうつ病性仮性認知症の場合、治療が行われなければそのうち軽度の認知症に至り、やがては本格的な認知症へと“移行”してしまうことがあります。言い換えれば、うつ病性仮性認知症まではうつ病治療で回復する。うつ病を見逃さないことは認知症に至るのを防ぐチャンスなのです」

 前出の「物事を覚えられなくなった」「変な行動・言動が目立つようになった」という症状なら、認知症専門医以外でもある程度は正しい診断ができる。しかし「ぼーっとするようになった」は、認知症とうつ病の見極めが難しい。日本認知症学会のホームページなどで専門医を探し、そちらを受診すべきだろう。

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