余命3カ月の元米大統領救った悪性脳腫瘍の最新治療法とは

公開日: 更新日:

 原発性には「良性」と「悪性」があり、「良性」は周囲の組織との境界が明瞭で増大スピードが遅く、手術での全摘が可能。反対に「悪性」は手術での完全摘出が難しく、多くの場合、手術後に放射線治療や抗がん剤治療が行われる。

 カーター氏は「転移性脳腫瘍」で、数年前に致死性の特に高いメラノーマ(悪性黒色腫)から派生した。以前なら余命3~4カ月と宣告される深刻なレベルだったらしい。東京新宿メディカルセンター放射線治療科の黒崎弘正部長が言う。

「転移性脳腫瘍の治療には放射線治療が特に有効で、以前から全脳照射が行われていましたが、3センチ以内の腫瘍なら定位放射線治療、いわゆるピンポイント照射が優先されるようになってきました。カーター氏の場合は、主要患部を定位放射線治療したのち、抗PD-1抗体による免疫療法を使ったのではないか」

■気になる薬代は年間数百万円

 カーター氏が使ったのは「キートルーダ」と呼ばれる免疫チェックポイント阻害剤。日本では未承認だが、米国ではメラノーマ以外にも腎がん、肺がんを対象に承認されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い