体が丈夫でも油断禁物…健康な人がかかる「貧血」とは?

公開日: 更新日:

 貧血には偏食の若い女性などによく見られる「鉄欠乏性貧血」以外にも種類がある。血液をつくる骨髄が脂肪に置き換わり、赤血球や白血球を作らなくなる「再生不良性貧血」、胃や腸などの出血から起きる「出血性貧血」、ビタミンB12の欠乏によって起こる「悪性貧血」、赤血球が壊れやすいことで起きる「溶血性貧血」などだ。

「そもそも人の赤血球には約120日の寿命があります。それがなんらかの理由で異常に短縮した状態を溶血と言います。ただし、赤血球の寿命が短くなっても人の骨髄では通常の6~8倍の赤血球を作る能力があるため、普段は貧血の症状が起こりません。田村さんは生まれつき赤血球の形に異常がある溶血性貧血だったのです」(林院長)

 では、なぜ田村さんに突然、貧血症状が出たのか? ヒントは田村さんの風邪症状にあった。

「田村さんが風邪だと思っていたのは伝染性紅斑(通称りんご病)です。昨年は10年に一度の流行の年で、1月はその余波があった。大人の伝染性紅斑は、子供のようにほっぺたが赤くならずに風邪症状だけが出て自然に治まることが多い。そのため、風邪だと思う人が多いのですが、この病気にかかると、溶血性貧血の人は赤血球の数が急激に減り、貧血症状が出やすいのです」(林院長)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」