著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

津波で肺炎死亡のリスクが増加する

公開日: 更新日:

 東日本大震災から5年が経ちました。地震と津波が与えた壊滅的被害は、今もなお影響を及ぼしています。津波は物理的被害だけでなく、健康へも影響を与えることが知られており、「津波肺」と呼ばれる肺炎はその代表的なものです。海水に含まれる病原性微生物や粒子状物質を吸い込んでしまうために発症すると考えられています。

 東日本大震災による津波と肺炎発症の関連を検討した研究が、英国医師会誌の「オープンアクセスジャーナル」(2016年2月23日付)に掲載されています。

 この研究は日本の平均的データから予測される肺炎死亡者数と、東日本大震災後の肺炎死亡者数を比較したものです。対象となったのは福島県、宮城県、岩手県に在住している約570万人でした。なお、肺炎死亡のリスクは内陸部と沿岸部に分けて解析されています。

 震災後1年以内に6603人が肺炎により死亡。震災から1~12週目にかけて肺炎による死亡が増加しました。震災から2週目の肺炎死亡は、内陸部で約1.5倍、沿岸部では約2.5倍と、統計的にも有意に上昇しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    9日間の都議選で露呈した「国民民主党」「再生の道」の凋落ぶり…玉木vs石丸“代表負け比べ”の様相

  5. 5

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  1. 6

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

  2. 7

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    28時間で150回以上…トカラ列島で頻発する地震は「南海トラフ」「カルデラ噴火」の予兆か?

  5. 10

    自転車の歩道通行に反則金…安全運転ならセーフなの? それともアウト?