理想は自然死 飲まず、食わず、悔いず 眠るように

公開日: 更新日:

石飛幸三さん(特別養護老人ホーム・芦花ホーム常勤医)

「苦しみたくないから最期は“ピンピンコロリ”がいい」――。こう言う人がいます。

 寝たきりで家族に迷惑をかけたくない、という気持ちからでしょうが、私は賛成できません。

「ピンピンコロリ」は突然死です。大切な人に別れの言葉を残さず、心の準備をさせないまま去っていくのは無責任です。残された妻や子供が父親の遺体にしがみつき、泣き叫ぶ姿を幾度となく見てきた私には、とても身勝手に感じます。

 ならば、がんはどうでしょう?

「死ぬのはがんに限る」と言う医師もいます。がんはおおよその余命が予測できます。「死ぬまでにやっておきたいことに費やす時間が持てる」という意味では、悪くはありません。しかし、転移する恐怖やがんの痛みを考えると、全面的に賛成はできません。

 駆け出しの医師だった頃、苦しみながら亡くなった胃がんの患者さんを見ました。そのため、がんで死ぬのはどうかと思います。

 私が言いたいのは、「自然にまかせたら人は穏やかに死ねる」ということ。逆に言えば、下手な延命は苦しみを招きます。そのことを皆さんに知っておいてもらいたいのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も