【うつ病】会社という組織がなければ病気と闘えなかった

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 新聞や雑誌も読む気になれず、まさに「無気力」の状態。会社や友人からかかってくる電話に出るのもわずらわしく、携帯電話の電源を切った。

■唯一の救いは会社が給与を振り込んでくれたこと

 1度だけネットで検索し、「日本うつ病センター」(JDC=旧うつ病の予防・治療日本委員会。東京・麹町)に助けを求めて電話をしたことがある。同センターは、うつ病患者の相談を受けたり、講習会などを開いている一般社団法人である。

 そこで、講習会への参加を勧められた。講習会当日、出席するために外出しようと玄関で靴を履いたが、どうしても玄関のドアを開けられなかった。結局、部屋に戻ってベッドで横になった。

「人に会うのが苦痛になり、彼女や友人からいくら誘われても断り続けました。私が創業した人材派遣会社から連絡があっても、話の途中で電話を切ってしまうのです」

 こう回想する越川さんは、会社欠勤を8年ほど続け、自宅のマンションに閉じこもった。

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