軽い痛みでも発症…くも膜下出血の“サイン”を見逃すな

公開日: 更新日:

 後頭部をガーンとハンマーで殴られたような痛み――。くも膜下出血は激烈な痛みが特徴とされるが、実は、軽度な痛みで起こるケースもある。かえって見過ごされやすく、要注意だ。

 1年前の「あの日」を振り返るのは、会社員のAさん(58)だ。数日前から頭痛が続き、鎮痛剤を飲んでも治まらない。もともと頭痛持ちで、ある意味で頭痛に慣れてはいた。いつもなら、市販の鎮痛剤を飲めば痛みが徐々に消える。時に1錠では足らず、時間を空けて2錠飲むこともあったが、2日、3日と日をまたいで頭痛が続くのは初めてだった。

 妻からは「病院で薬をもらった方がいいんじゃない?」と言われていたが、仕事で厄介な案件を抱えている時期だったこともあり、病院に行く時間が惜しかった。そのうち良くなるだろうと楽観視して、仕事をこなしていた。

 激痛に襲われて倒れたのは、休日出勤中だった。幸いにも部下が職場にいたことで、速やかに救急搬送してもらえた。検査結果は「くも膜下出血」だった。さらにAさんの運が良かったのは、救急搬送先に脳神経外科の名医が当直でいたことで、すぐに緊急手術が行われた。Aさんは片足の軽いマヒは残ったものの、一命を取り留めた。後に主治医からは、「頭痛が治まらない時点で、病院に来ていれば……」と言われた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々