著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大腸がん 10年間で男女とも新規患者数増加の最大要因は?

公開日: 更新日:

 大腸がんは2014年の死亡数で肺がんに次ぐ第2位(男性3位、女性1位)、12年の新規患者数で1位(男性2位、女性2位)になっています。しかも患者数は年々増加の一途をたどっています。がん統計上の大腸は「盲腸」「結腸」「直腸」「肛門」の総称です。本稿もそれにしたがって進めていきます。

 胃がんなどと同様、「上皮内がん」(悪性ポリープを含む)と「浸潤がん」に分けることができます。02年以前は、上皮内がんが見つかることが少なかったため、浸潤がんと一括して集計されていました。内視鏡による大腸がん検診が十分に普及していなかったことが大きな理由です。しかし、03年以降は区別してカウントされるようになりました。

〈表〉は03年と12年の新規患者数と、死亡数・年齢調整死亡率をまとめたものです。この10年間で患者数は、男性1・6倍、女性1・5倍に増加しています。ただ内訳を見ると、上皮内がんが3~4倍に増えている一方、浸潤がんは1・3~1・4倍にとどまっていることが分かります。ちなみに、高齢化の影響を取り除いた年齢調整罹患率を見ると、浸潤がんでは男女とも1・1~1・2倍。つまり大腸がんの増加の最大要因は、高齢化が進んだことと、検診などによって上皮内がんの発見率が上がったことです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 2

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ

  3. 3

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  4. 4

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  5. 5

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  1. 6

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  4. 9

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  5. 10

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も