著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

全身温熱療法でうつ病の症状が改善するのか?

公開日: 更新日:

 ストレス社会といわれる現代において、うつ病のような精神疾患はもはや特別な病気ではありません。程度の差はあれ、抑うつ症状を経験したことがある人は少なくないように思います。

 過去の研究によると、皮膚を通じた温感刺激が、脳神経の活性化を促すことが示されているようです。米国医師会の精神科専門誌(2016年8月号)に、うつ病患者における全身温熱療法の有効性を検討した研究論文が掲載されました。

 全身温熱療法とは、体の表面に赤外線を照射して体全体を温める治療法のことです。この研究では、18~65歳で身体的には健常なものの、うつ病の診断をうけた34人が対象となりました。「全身温熱療法を行うグループ」と、「偽の温熱療法を行うグループ」にランダムに振り分け、うつ病の症状を6週間にわたり比較検討しています。なお、うつ病の症状は17項目の質問票を用いた評価尺度で点数化されました(52点満点で点数が高いほど症状が悪化)。

 研究の結果、全身温熱療法を行ったグループでは、偽の温熱療法を行ったグループに比べて、1週目で6・53点、2週目で6・35点、4週目で4・5点、6週目で4・27点、統計的にも有意に点数が少ないことが示されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった