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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

慶応病院の医業経費 全国平均より5倍近くも薬にかける

公開日: 更新日:

 慶応病院が都立病院などと比べて高い医業収入(2016年度で563.6億円)をあげている様子は分かりました。では経費はどうでしょうか。そこで慶応大学の決算書を見ると、2016年度の医業経費の合計は252.8億円ほどになっていました。これには人件費は含まれていません。

 もっとも大きい金額を占めているのが医薬品。入院患者用と、外来患者への注射や点滴などで使われた薬代で、院外処方分は当然含まれていません。(社)日本病院会などの調査によれば、一般病院の医薬品経費の全国平均は、100床当たり約2900万円/月となっています。これを慶応病院の規模(1044床)に適用すると、年間で約36億3000万円になります。ところが慶応病院のそれは174億円ですから、全国平均よりも5倍近くもクスリに金をかけていることになるのです。

 慶応病院の医薬品経費は、2014年度は153.5億円でしたが、2015年度には173.1億円に跳ね上がっているのです。2014年は、それまででもっとも多くの新薬が日本国内で承認・発売された年でした。超高額で名を馳せたオプジーボも、この年の9月から発売されています。つまり慶応病院は、最新の高額医薬品を、常に積極的に治療に取り入れているわけです。またそうした先進性が、多くの患者を引き付ける魅力のひとつになっているのでしょう。

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