初の診断キット発売 「潰瘍性大腸炎」治療の何が変わる?

公開日: 更新日:

 最近、潰瘍性大腸炎の体外診断用の試薬キット「カルプロテクチン」が日本で初めて保険適用になった。東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科主任教授の猿田雅之医師に治療の最前線を聞いた。 

 潰瘍性大腸炎は、大腸粘膜に慢性の炎症や潰瘍を発生する原因不明の疾患で、根本的治療法は確立されていない。症状を寛解(症状が落ち着いて安定した状態)にもっていき、長期間維持することが現在の治療目標だ。

「患者さんの便に含まれるカルプロテクチンという、白血球が分泌するタンパク質の濃度を調べることで、腸管内の慢性炎症の程度を数値で表すことができます」

 これによって変わるのが、次の2点だ。

①経過観察が簡便になる

 潰瘍性大腸炎の6~7割は軽~中等症。その中の多くがメサラジンという「5―ASA製剤」で腸管の炎症を抑えることができ、寛解の維持もできる。

 潰瘍性大腸炎の治療薬は複数あり、寛解導入や維持が困難な場合には、2剤、3剤と組み合わせることになる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」