初の診断キット発売 「潰瘍性大腸炎」治療の何が変わる?

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■痛みなく精度は従来検査に劣らない

②診断が簡単になる

 潰瘍性大腸炎の症状は、繰り返して起こる下痢や血便。慢性の下痢や血便はほかの病気でも見られることがあり、特に下痢だけの場合は、過敏性腸症候群(IBS)が原因の多くを占める。

「カルプロテクチン濃度を見れば、下痢や血便が炎症によるものか否かがわかります。IBSなら炎症は認めません。最初に試薬キットを用いることで、内視鏡検査が必要な人と不要な人に分けられると思います」

 やはり、患者の負担軽減につながる。

 潰瘍性大腸炎の診断・治療の変化はそれだけじゃない。前述の通り6~7割が「5―ASA製剤」で寛解を維持できる潰瘍性大腸炎だが、効かない場合、ステロイド、免疫調整薬、抗TNF―α抗体と効能の強い薬を使う。

 いずれも十分に効かなければ、手術で大腸を全て取り除く。

「抗TNF―α抗体が登場して以来、難治例でも薬で寛解を維持できるようになり、手術まで進む患者は減っているとの海外の報告があります。私の患者さんにも、薬の効きが悪く、何十年も苦しみ手術を検討していたのに、抗TNF―α抗体で劇的に良くなり手術を回避できた方もいます」

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